無意識の力を信頼する《心理ー精神拮抗作用》-フランクル心理学007-

もっと、無意識の力を信頼しよう。

『識られざる神』【新装版】
(みすず書房)
クリックするとAmazonへ!

「スランプを克服する方法(反省除去)」の記事で、スランプに陥ったバイオリニストの事例をあげました。あまりに意識的に努力をしすぎた結果、そのバイオリニストは、自分の本来持っている力を発揮できなくなったのです。

「反省除去」とは、過剰に自分へ向く意識を取り除き、無意識の働きに委ねることで、心の障害を取り除こうとする療法です。

つまり、「反省除去」は、先ほどの「心理ー精神拮抗作用」を活用しているわけです。フランクルはこう書いています。

フランクル
フランクル

彼のなかに蔵されている無意識のものが彼の意識にくらべてどんなに「より音楽的」であえるかを繰り返し繰り返し彼にきづかせてやることにより、この患者のために無意識への信頼を取り戻してやるということがなされねばならなかった。

事実、このようにして行われた治療の結果、本質的に無意識的(再)創造の過程が過度の意識作用の阻害的な影響から解放されて、無意識の有する芸術的「創造力」のいわば抑制解除がなされたのである。

『識られざる神』【旧版】(V・E・フランクル[著]、佐藤利勝[訳] みすず書房)p41

フランクルは、「精神的無意識」の作用として、「芸術的インスピレーション」「愛」「良心」の3つをあげてます。これらについては、改めて、別の機会に書きたいと思います。

精神的無意識の3要素
1)「芸術的インスピレーション」
2)「愛」
3)「良心」

「芸術的インスピレーション」を私たちが持っているとしたら、「無意識の力」、それはつまり「心の力」をもっと信頼してよいことになります。

図にあるように、心身の奥の無意識のレベルにある「精神」は、人間らしい力を発揮できるように、私たちを導く力です。

もっと、心の力信頼して、もっと、創造性を発揮しましょう。

(文:まっつん)


フランクル
フランクル

ヴィクトール・エミール・フランクル(Viktor Emil Frankl 1905〜1997)ロゴセラピーの創始者。オーストリア出身の精神科医、心理学者。世界三大心理学者(フロイト、ユング、アドラー)につぐ「第4の巨頭」。第2次世界大戦中のナチス強制収容所から生還する。その体験を記した『夜と霧』は世界的ベストラーとなる。「生きる意味」を探求するロゴセラピーという独自の心理学を確立し、世界に大きな影響を与えた。享年92歳。著書:『夜と霧』(みすず書房)『それでも人生にイエスと言う』(春秋社)『意味による癒し』(春秋社)ほか。


『君が生きる意味』(ダイヤモンド社)

フランクル心理学のエッセンスを折りこんだ不思議な物語『君が生きる意味』
(ダイヤモンド社)
著:松山淳 解説:諸富祥彦
クリックするとAmazonへ!

【フランクル関連記事】ご参考までに!

フランクルの画像 ヴィクトール・エミール・フランクル(Viktor Emil Frankl) 参考 フランクルの「生いたち」から、その人生心理カウンセラーまっつん(松山淳) 参考 『君が生きる意味』(ダイヤモンド社)紹介ページ心理カウンセラーまっつん(松山淳)