カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)

ユング

ユングの「無意識」に対する考え方。

ユングは「言語連想実験」を手がかりに「無意識」への興味を深め、研究を続けていきます。彼は「コンプレックス」が存在する無意識の奥に、さらに深い層があることを考えつきます。

ユングは、心の構造を3層で考えました。

ユングが考えた心の3層構造

意識(conscious)

個人的無意識(personal unconscious)

普遍的無意識(collective unconscious)

「意識」は、私たちが意識できる領域です。個人の生育歴の中でその内容が形成されていく無意識の層を「個人的無意識」と呼び、その奥深くに人類に共通する層=「普遍的無意識」があると考えました。

「普遍的無意識」は、他にないユングのオリジナルな考えです。

ある日、理解不能な言葉を連呼する重度の精神疾患者が、太陽を眺めながら、神話と同じことを話していました。神話を知るはずもない患者になぜそんなことが可能なのでしょうか?

たんなる偶然といったらそれまですね。でも、ユングはこれを「ただの偶然」とは片付けず、研究を深めていきます。

夢分析では、患者が語る夢の世界はとてもリアルで不可解でした。神が現れたり宇宙人が登場したりします。それまで生きてきた個人の経験を超越する内容が、いとも簡単に夢には現れてくるのです。

私たちも、夢の中では、時代を超えて国を越えて、一瞬でどこかへ移動し、会ったこともない人に会い、追いかけたり追いかけられたり、喜んだり悲しんだりおびえたり大笑いしたり、とても不思議な想像を越えた体験をしますね。普段の自分では、絶対に考えつかないような物語が、夢では展開されていきます。

では、その夢は、どこから来るのでしょう?

世界に散らばる神話には、共通するストーリーの「型」があります。

なぜ、共通しているのでしょう?

こうした疑問を検証していきながら、ユングは私たち人類には、共通する心の型が無意識のさらに奥に隠されているのだと考えたのです。これが「普遍的無意識」です。想定外の不可解な夢も「普遍的無意識」を設定すれば、論理的に筋が通るとユングは言うのです。

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